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公開日 2026.07.30 更新日 2026.07.30

親知らずが出てきた時の対処法と放置リスクとは?抜歯すべきか解説

親知らずが出てきたものの、「このまま様子を見ても大丈夫なのか」「抜歯が必要なのか」と悩む方は少なくありません。 親知らずは生え方によって、痛みや腫れ、虫歯、歯周病、歯並びの乱れにつながることがあります。 一方で、すべての親知らずが抜歯の対象になるわけではありません。

本記事では親知らずが出てきた時に起こりやすい症状や放置することで起こるリスク、抜歯が必要なケースとその判断基準について解説します。 気になる症状があれば、自己判断せずに適切な行動をとることが、トラブルを防ぐポイントです。

親知らずが出てきたサインとは?生え始めに現れる症状

親知らずが出てきたときは、奥歯のさらに奥に腫れや違和感、鈍い痛みが出ることがあります。 生え始めの症状は虫歯や歯周病と似ている場合もあるため、歯茎や顎の変化を早めに把握することが大切です。

ここでは、親知らずが出てきた際に現れやすい症状を解説します。

歯茎の奥の腫れや違和感

歯茎の奥が腫れたり、押されるような違和感があったりする場合は、親知らずが出てきたサインかもしれません。 特に奥歯の後ろが盛り上がっている、歯ブラシが当たると痛む、食べ物が挟まりやすいといった変化には注意が必要です。

親知らずは一部だけ歯茎から出ることがあり、汚れがたまると炎症を起こしやすくなります。 腫れや痛みが続くと智歯周囲炎につながり、口を開けにくくなる場合もあります。自己判断で触らず、歯科医院で状態を確認しましょう。

鈍い痛みや圧迫感

奥歯の周辺に鈍い痛みや圧迫感が続く場合、親知らずが歯茎や骨を押しながら生えている可能性があります。 まっすぐ生えるスペースが足りないと、周囲の歯や歯茎に負担がかかり、じわじわした不快感が出やすくなります。

痛みが軽い段階では様子を見たくなるかもしれませんが、炎症や噛み合わせの乱れが進むこともあります。 食事中に痛みが強くなる場合もあるため、違和感が長引くときはレントゲンで向きや位置を確認してもらうことが大切です。

顎の疲れや頭痛などの全身症状

親知らずが出てきた影響で、顎のだるさや頭痛など、口の中以外の不調を感じることもあります。 斜めや横向きに生えると噛み合わせが乱れ、顎の筋肉や関節に負担がかかりやすくなるためです。

無意識に噛みしめが強くなると、こめかみの痛みや肩こりにつながる場合もあります。普段の疲れと見分けにくく、歯の痛みが目立たないまま症状が続くこともあります。 顎の疲れや頭痛が続く場合は自己判断せず、歯科医院で歯の位置や炎症の有無を確認しましょう。

親知らずが出てきた時の正しい対処法

親知らずが出てきたときは、痛みを我慢したり自己判断で放置したりせず、まず歯科医院で状態を確認することが大切です。 生え方によっては炎症や虫歯、歯並びへの影響につながってしまいます。

以下では、親知らずが出てきた時の正しい対処法を解説します。

まず歯科医院でレントゲン検査を受ける

親知らずが出てきたと感じたら、最初に歯科医院でレントゲン検査を受けることが重要です。 見えている部分だけでは、まっすぐ生えているのか、斜めや横向きに埋まっているのかを判断できません。

レントゲンでは、親知らずの向きや深さ、隣の歯との距離、神経や血管との位置関係を確認できます。 痛みがない場合でも、将来的に腫れや虫歯を起こすことがあるため、早めに状態を把握して治療方針を相談しましょう。

自宅でできる応急処置とセルフケア

親知らずが出てきて痛みや腫れがあるときは、口の中を清潔に保つことが基本です。 食後はやわらかい歯ブラシで奥までやさしく磨き、必要に応じてうがい薬や歯間ブラシも使いましょう。

頬の外側から冷たいタオルで冷やすと、一時的に痛みが和らぐことがあります。 ただし、温めたり強くうがいをしたり、指で触ったりすると炎症を悪化させる場合があります。 セルフケアはあくまで応急処置のため、症状が続く場合は受診が必要です。

痛みや腫れがある時の市販薬の使い方

親知らずの痛みや腫れがつらい場合、市販の痛み止めで一時的に症状を抑える方法があります。 ロキソプロフェンやイブプロフェンなどを使用する際は、添付文書を確認し、用量や服用間隔を必ず守りましょう。 ただし、痛み止めは炎症の原因を取り除く治療ではありません。

薬で落ち着いても治ったとは限らないため、強い腫れ、発熱、口が開きにくい症状がある場合や、薬を飲んでも痛みが続く場合は、早めに歯科医院で診察を受けることが大切です。

抜歯が必要な親知らずのケース

親知らずは、生えてきたからといって必ず抜歯するわけではありません。 ただし、横向きや斜めに生えている場合や、すでに虫歯や歯周病になっている場合は、抜歯を検討することがあります。 特に歯の一部だけが歯茎から出ていると、すき間に細菌が繁殖して腫れや痛みを引き起こしやすくなります。 また、手前の歯を圧迫して歯並びに影響している場合や、噛み合う相手の歯がない場合も注意が必要です。

噛み合う歯がないと、親知らずが伸びて反対側の歯茎や頬の粘膜を傷つけることがあります。 放置すると隣の歯まで虫歯になるリスクが高まるため、違和感がある際は歯科医院で抜歯の必要性を確認しましょう。

抜かなくてもよい親知らずの特徴

親知らずが出てきても、状態によっては抜歯せず経過観察できる場合があります。

まっすぐ生えて噛み合わせに問題がないケースや、骨の中に埋まって症状がないケースなどです。 ここでは、抜かなくてもよい親知らずの特徴を解説します。

まっすぐ正常に生えているケース

親知らずがまっすぐ正常に生え、上下の歯ときちんと噛み合っている場合は、無理に抜かなくてもよいことがあります。 周囲の歯や歯茎を圧迫しておらず、虫歯や炎症もなければ、通常の奥歯と同じように使えるためです。

ただし、親知らずは一番奥にあり、歯ブラシが届きにくい場所でもあります。 磨き残しが続くと将来的に虫歯や歯周病の原因になるため、毎日のケアと定期検診で状態を確認しましょう。

完全に骨の中に埋まっているケース

親知らずが完全に骨の中に埋まっていて、痛みや腫れなどの症状がない場合は、抜歯せず経過観察となることがあります。 歯茎の外に出ていなければ細菌が入り込みにくく、虫歯や炎症のリスクも比較的低いためです。

ただし、まれに周囲に嚢胞ができたり、隣の歯へ影響したりするケースもあります。 自覚症状がなくても、レントゲンで位置や変化を定期的に確認しておくと安心です。

将来的に移植歯として活用できるケース

健康な親知らずは、将来的に移植歯として活用できる場合があります。 虫歯や事故などで奥歯を失った際、条件が合えば親知らずを移植し、自分の歯として使える可能性があるためです。

ただし、すべての親知らずが移植に向いているわけではありません。根の形や大きさ、抜歯のしやすさ、移植先の骨や歯茎の状態によって判断されます。 活用の可能性を残すには、抜歯前に歯科医師へ相談することが大切です。

親知らずを放置した場合に起こるリスク

親知らずを放置すると、炎症や虫歯、歯並びの乱れなどのリスクが高まることがあります。

特に斜めや横向きに生えている場合は、隣の歯や顎にも影響するため注意が必要です。 ここでは、親知らずを放置したことによって起こり得る主なトラブルを解説します。

智歯周囲炎による激しい痛みと腫れ

智歯周囲炎は、親知らずの周囲に汚れや細菌がたまり、歯茎が腫れたり強く痛んだりする状態です。 親知らずが一部だけ出ていると、歯と歯茎のすき間に食べかすが入り込み、歯磨きだけでは取り除きにくくなります。

炎症が進むと、口が開きにくい、飲み込みにくい、顎や喉まで痛むといった症状が出ることもあります。 発熱や膿を伴う場合もあるため、痛みや腫れを感じたら早めに受診しましょう。

隣の歯の虫歯や歯根吸収

親知らずを放置すると、手前の歯が虫歯になったり、歯の根が吸収されたりすることがあります。 特に斜めや横向きに生えている親知らずは、隣の歯との間に汚れがたまりやすく、細菌が増えやすい状態です。

虫歯が親知らずだけでなく手前の大切な歯に広がると、治療が難しくなることもあります。 さらに、親知らずが強く押し続けると歯根吸収が起こる場合があるため、早めに状態を確認することが重要です。

歯並びや噛み合わせへの悪影響

親知らずが斜めや横向きに生えていると、手前の歯を押して歯並びや噛み合わせに影響することがあります。 歯列に力が加わり続けると、前歯の重なりや噛み合わせのずれにつながる可能性があります。

もし、歯並びが乱れると見た目だけでなく、歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクも高まります。 また、噛み合わせのバランスが崩れると顎に負担がかかることもあるため、違和感があれば早めに相談しましょう。

稀に起こる重症化と全身への影響

親知らずの炎症は、まれに重症化して全身へ影響することがあります。 親知らず周辺の感染が広がると、顎の骨や頬、喉の周囲まで腫れが及び、発熱や強いだるさを伴う場合があります。

さらに悪化すると、首や胸の深い部分に感染が広がるケースもあり、持病がある方や免疫力が低下している方は特に注意が必要です。 顔の腫れ、発熱、口が開きにくい症状がある場合は、早急に歯科医院を受診しましょう。

親知らず抜歯後の注意点とセルフケア

親知らずの抜歯後は、傷口を刺激せず、出血や腫れを悪化させない過ごし方が大切です。 強いうがいや喫煙、硬い食べ物は治癒を妨げる原因になります。 ここでは、抜歯後に気をつけたいセルフケアを解説します。

傷口を刺激せず安静を保つ

親知らずを抜いた直後は、傷口を刺激せず安静に過ごすことが大切です。 抜歯した部分には血のかたまりができ、傷口を守りながら治癒を進めます。 強くうがいをしたり、舌や指で何度も触れたりすると、この血のかたまりが取れて痛みや出血が長引くことがあります。

抜歯当日は激しい運動、長時間の入浴、飲酒など血流が増える行動も控えましょう。 出血が続く場合は、清潔なガーゼを軽く噛んで様子を見ます。

うがいのしすぎや喫煙を控える

抜歯後は口の中が気になっても、うがいのしすぎは避けましょう。 強いうがいを繰り返すと、傷口をふさいでいる血のかたまりが流れ、強い痛みを伴うドライソケットにつながることがあります。 また、喫煙は血流を悪くし、傷の治りを遅らせたり感染リスクを高めたりする原因です。

抜歯直後は特に傷口が不安定なため、歯科医師から指示された期間は喫煙を控え、軽く口をすすぐ程度にとどめましょう。

抜歯当日におすすめの食事と避けたい食べ物

抜歯当日は、傷口に負担をかけにくい柔らかい食事を選びましょう。 おかゆ、うどん、豆腐、ヨーグルト、プリンなど、強く噛まずに食べられるものが向いています。 一方、熱すぎる料理や辛いものは、痛みや出血を招くことがあるため避けた方が安心です。

硬い食品や粒の細かいゴマ、ナッツ類は傷口に入り込む場合があります。 また、ストローは吸う力で血のかたまりが取れることがあるため、抜歯当日は使わないようにしましょう。

腫れや痛みが治まるまでの期間

親知らずの抜歯後の腫れや痛みは、数日から1週間ほどで徐々に落ち着くことが一般的です。 特に下顎の親知らずや、歯茎の切開、歯の分割が必要だった場合は、腫れが強く出ることがあります。

腫れのピークは抜歯後2〜3日ごろに現れ、その後少しずつ引いていくケースが多いです。痛み止めを指示どおり使い、無理をせず安静に過ごしましょう。 発熱や膿、強い痛みが続く場合は早めに受診が必要です。

まとめ:親知らずが出てきた時の対処法と抜歯判断のポイント

親知らずが出てきた際は、まず現在の生え方や周囲の状態を確認することが大切です。 まっすぐ正常に生えていて問題がなければ経過観察となる場合もありますが、痛みや腫れ、虫歯、歯並びへの影響がある場合は抜歯が検討されます。

また、放置すると智歯周囲炎や隣の歯への悪影響を招く可能性もあるため注意が必要です。 違和感がある時は自己判断せず歯科医院で診察を受け、適切な治療方針を確認することで、将来的なトラブルの予防につながるでしょう。

森の泉歯科では、親知らずの診断や抜歯、親知らず周囲の炎症・痛みへの対応を行っています。 歯科用CTを活用し、親知らずの生え方や神経との位置関係を確認したうえで、一人ひとりに適した治療方針をご提案しています。

監修者

木下 恵泉

木下 恵泉

森の泉歯科院長/医療法人Kオールインデンタルクリニック院長

鶴見大学卒業後、町田市民病院に入職。また、赤十字病院や東京医科歯科大学顎顔面外科の勤務を経て、2018年に森の泉歯科の院長に就任。2023年3月に「オールインデンタルクリニック」を開院。
千歳烏山地区の人のために、自分のことのように相手のことを真剣に考え、1人1人に合わせた最善の治療を提案している。

<略歴>

  • 2005年3月 鶴見大学 卒業
  • 2005~2006年 町田市民病院(歯科口腔外科)勤務
  • 2006~2007年 武蔵野赤十字病院(歯科口腔外科)勤務
  • 2007~2011年 東京医科歯科大学顎顔面外科(歯科口腔外科)勤務
  • 2011~2018年 けやき歯科 勤務
  • 2018年5月 森の泉歯科 院長就任
  • 現在に至る

<資格>

日本口腔外科学会認定 歯科口腔外科認定医